マンション管理組合が修繕工事をすすめる際の意思は、「適正な仕様で、安くて品質の高い工事をしてくれる工事会社にお願いしたい」に集約されます。

管理会社は工事部門を持っている会社の場合は、「工事からも利益をあげたい」という意思がありますので、管理組合の「安くて品質の高い会社」という部分と、【利益相反】の関係にあります。

管理会社と、修繕工事をすすめる際の注意点をまとめます。

分譲オーナーの修繕工事に関する意識、最近のお話しした組合員の意見

  • 管理会社の見積は高いことはわかっているけど、専門会社に見積もり依頼して精査するのには理事や修繕委員の負担になるから、管理会社にお願いしている。(約40世帯組合員)
  • 管理会社の大規模修繕工事の見積が一番高かった。築17年目だけど大規模修繕実施するべき時期であるが1年見合わせた。(約300世帯組合員)
  • 貯水槽パッキンから水が漏れ始めているので工事は急ぎたいが、余裕のある予算で発注先も決めずに臨時総会で、理事会へ付託と決議してしまうのは良くないので理事会の議論に入ることにした。(約20世帯)
  • 大規模修繕工事のタイミングで夫に理事長が回ってきて、最初は管理会社の提案を聞いていたが、高かったので外部の工事専門会社に見積もりをとったらコストが下がった。丁寧に工事をしてくれてとても良かったが夫は超大変そうだった。(約100世帯区分所有者の配偶者)

いずれも最近、インタビューさせていただいたお話です。管理会社にお任せと言う意見は、時代とともに減ってきています。

マンション管理会社に、何を管理委託しているのか?

マンション管理委託契約書で管理会社に委託している内容を、国交省の標準管理委託契約書のフォーマットを見てみます。

一 事務管理業務(別表第1に掲げる業務)

1 事務管理業務(別表第1に掲げる業務)

(1) 管理組合の会計の収入及び支出の調定 (2) 出納 (3) 本マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整

2 基幹事務以外の事務管理業務

(1) 理事会支援業務 (2) 総会支援業務 (3) その他

二 管理員業務(別表第2に掲げる業務)

三 清掃業務(別表第3に掲げる業務)

四 建物・設備管理業務(別表第4に掲げる業務)

マンション共用部の建物・設備の維持・管理を毎月定額をお支払いしてお願いしているのだと覚えておきましょう。

修繕工事は終了後の管理を考えると、管理会社経由で依頼するべきと固定観念を持っている人もいますが、管理会社経由にする理由はありません。工事の保証もアフター点検も、専門工事会社に直接依頼しても同じかそれ以上の保証を得られる場合もあります。

修繕工事に関しては、管理組合と管理会社とは利益相反の関係

マンション管理会社は、維持又は修繕に関する企画業務として、長期修繕計画案の作成業務も担っており、出納、決算もしているため管理組合の修繕積立金の貯金額を知っています。

管理組合の修繕の企画をサポートする立場はで管理組合の懐事情を知りながら、工事会社側の立場の両方の立場で、管理会社のフロントマンは対応していることになります。 

管理組合(安くて品質の高い工事)<= 管理会社(フロントマン) =>管理会社(工事部門)(工事で利益をあげたい)

どんなに真摯に管理組合のために動いてくれる管理会社のフロントマンだとしても、会社の工事部門の利益も考えなくてはいけないわけです。

給料を払ってくれているのは会社ですから、どうなるかといえば、、、

大規模修繕工事の元請けをする会社が、管理組合が工事会社選定を依頼するとは?マンション管理会社別の元請けをするかなど特徴もまとめています。

大規模修繕工事、元請けをする管理会社、元請けしない管理会社、どちらが良いの?

マンション管理会社に修繕工事を依頼する際の注意点

管理会社の高い見積もりが出てくることを抑制するためには、大規模修繕工事の設計書(工事仕様書と見積明細書)を管理会社に有償または、無償でつくってもらって、管理組合が直接、外部の大規模修繕工事専門工事会社から見積もりをとることです。

参考になりましたか?

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以上

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