小規模マンションは、管理費・修繕積立金が高くなると認識している人も多いと思います。

必ずしもそうではありませんので、具体的に都市郊外の第一種住居専用地域にある20世帯、3階建てマンションを例に検証してみたいと思います。

本ブログの小規模低層マンションの定義

図1 小規模低層マンションの例

このブログでは、3階建て以下、20世帯以下のマンションを「小規模低層マンション」としています。

例として、用途地域は第一種低層住居専用地域で、建蔽率40%、容積率80%にあるようなマンションになります。

建蔽率40%とは、マンション敷地面積に対して建築面積の割合が最大40%という規制のことです。容積率80%とは、マンション敷地面積に対して延床面積の割合が最大80%というい規制のことです。

小規模低層マンションは以下、3つのメリットがあります。

  • 土地が広い。
  • コミュニティ掲載がしやすい
  • 建物が安定・設備もシンプル

土地が広い

小規模低層マンションは、第一種低層住居専用地域など、土地が広い場所にある場合が多いです。第一種低層住居専用地域は、戸建て住宅が多いのですが、マンションもあります。

建物の規制があるため、敷地が広く、静かな環境にあることが多いです。住環境に適しておりメリットがあります。

平置き駐車場があれば収入源になります。機械式駐車場がある場合は、人口減少、車離れから利用者が減る傾向にあるため維持費が高額な機械式駐車場は、どちらかというと望ましくありませんが、管理組合で合意出来れば撤去や、部分撤去することも出来ます。

固定資産税、都市計画税が高くなると思われがちですが、土地分は専有部の持ち分は通常は200m2以下となり、小規模住宅用地の特例でそれぞれ1/6、1/3に適用されます。

建物にかかる固定資産税、都市計画税より、土地分はインパクトは大きくありません。

マンションの固定資産税と都市計画税
図2 第一種中高層と第一種低層の路線価の比較(世田谷区 豪徳寺付近の都市計画図より)

路線価上で、土地利用の規制が緩い第一種中高層住居専用地域と、規制が厳しい大異種低層住居専用地域を比べても10%程度の価格差しかありません。

仮に50年後、マンションが除却する時、土地が広い方が除却(マンションを解体して売却する、あるいはそのまま売却する)ときに売りやすいと考えます。

なお、小規模低層マンションを選ぶ際は、駅から近い立地が良いマンションが価値が高いことが当然ながら必要条件になります。人口減少に対して、住居が余る時代なので不便な場所にあるマンションは、空室リスク、管理費・修繕積立金の滞納リスクがあります。

コミュニティ形成しやすい

管理組合の規模が小さいとまとまりやすい、決められます。100世帯を超えるマンションでは、議決権の回収がとても難しいのが現状で、説明責任を果たすのもとても大変です。

そもそも1962年に区分所有法が出来たときに、タワマンのような500世帯のようなマンションが出来ることは想定していなかったと思われます。大きなマンションでは、理事長が決定しないといけない金額が数億円になるため、素人理事長では重責を担えないという問題があります。

管理規約の素人である管理組合による運営方式には規模の限界があります。扱う金額が大きいと、業者からの裏金の誘惑も大きいです。

管理組合員の数が少ないということは、クレーマ組合員がいる確率も少ないでしょう。

区分所有者が少ない小規模マンションで合意形成しやすいというのは大きなメリットです。

建物が安定・設備もシンプル

図3 同じ20世帯でも、6階建てと3階建てでは、3階建てが安定

大地震の際に、低層の方が建物が安定しています。

3階建てならエレベータは不要です。エレベータが止まっても最上階まで階段で移動可能で、災害に強いと言えます。

3階建て低層マンションでは(東京都水道局)では、直結直圧給水(ポンプなし給水)で電気代、設備点検費が削減できます。

屋内消火栓設備の設置要件以下の延べ床面積であれば、消防設備点検費がない、特定建築物 の対象外(東京都 5階以上かつ延床面積1000m2以上)となります。

小規模低層マンションの管理費は割高になるのか?

具体的に30世帯65m2、6階建て、エレベータ1台、給水直結増圧と、20世帯65m2、3階建て、エレベータなし 給水直結直圧で各種点検費を比較してみます。

表1 30世帯6階建てと20世帯3階建て低層マンションの管理委託料の比較

支出項目30世帯65m2、6階建て、エレベータ1台、給水直結増圧30世帯 支出(月額)20世帯65m2、3階建て、エレベータなし 給水直結直圧20世帯
支出(月額)
事務管理業務(1戸あたり、30世帯規模だと月額1,500円として)45,000円1戸当たり月額2,000円として40,000円
管理員・清掃員業務(3時間/回・週5回・月4.2週、1,500円/時間として、24時間ゴミ出し94,500円(3時間/回・週3回・月4.2週、1,700円/時間として、ゴミ出しは指定日指定時間のみ64,260円
特別清掃 (年3回定期清掃、高圧洗浄 1回50,000円として)12,500円なし0円
建設設備点検費エレベータ法定点検5,000円エレベータなし0円
エレベータ点検(月額、3か月に1回フルメンテナンス)50,000円エレベータなし0円
特定建築物定期調査費東京の場合、5階建て以上かつ、延床面積1,000m2以上、毎年1回(有資格者)5,000円東京の場合、5階建て以上かつ、延床面積1,000m2以上、毎年1回は対象外0円
給水設備点検(増圧ポンプ点検 年1回、48,000円として)4,000円直結増圧にして、増圧ポンプなし0円
消防設備点検費1回36,000円 年2回として6,000円消防設備なし0円
排水管清掃1戸6,000円、年1回として15,000円1戸6,000円、年1回として10,000円
遠隔監視システム(警備会社の駆けつけ一次対応含む)9,000円直結増圧にしてやめる0円
24時間コールセンター(30世帯規模だと100円/月・人)3,000円(20世帯規模だと150円/月・人)3,000円
月額合計(税別)249,000円117,260円
月額合計(税込)273,900円(70%)128,986円(49%)
管理費収入13,000円/戸 x 30戸390,000円13,000円/戸 x 20戸260,000円

一部、管理員兼清掃員が週5日、週3日、特別清掃がないなど仕様を落としていますが、月額支出が273,900円/月と、128,986円/月とかなり差があります。

この他に、電気代、水道代、火災保険などが最低限固定的に発生しますので30世帯の固定支出の割合は、80%を超えて余裕がない予算になっているでしょう。

実は30世帯程度の規模のマンションの管理費負担が重く、収支が厳しいのが現実です。50世帯くらいになると支出はあまり増えず、管理費収入は増えるので余裕がでます。

具体的に購入を検討されている方は、管理費の内訳まで確認して表1のような内訳まで入手して管理費に対する固定支出の割合まで確認されることをお勧めします。

小規模低層マンションの修繕積立金は割高になるは割高になるのか?

大規模修繕工事会社の実績から、30世帯以下、分譲マンションの場合の、戸数と戸当たりの修繕費を散布図にしました。

図1 A社 大規模修繕工事の実績(戸数と戸当たりの修繕費の関係)
図1 B社 大規模修繕工事の実績(戸数と戸当たりの修繕費の関係)

戸当たり、110万円くらいが平均ですが、30世帯から、17-8世帯までは戸当たりの修繕費に大きな差はないことがわかります。

まとめ

  • 小規模低層マンションは、管理費・修繕積立金が高くなりがちという見方をされますが、土地が広い、合意形成しやすい、建物が安定しており設備が安定しているというメリットがあります。
  • 管理費、修繕積立金については、20世帯、30世帯を例に検証してみたところ、20世帯、小規模低層マンションは管理費が抑えることが出来て、大規模修繕工事の戸当たり修繕費が高くるなるわけではないということがわかります。

以上

マンション修繕・管理問い合わせ

問い合わせはこちら
マンションの修繕、管理、情報が少なく、合意形成できず、なかなか進まない。
管理会社さんの提案通り進めて良いのか?
そんなときは、お気軽にお問い合わせください。

【問い合わせ無料】
電話の場合はこちら
080-5071-0255 マンション管理組合目線 神尾直志