中小マンションの大規模修繕工事 設計監理方式を採用すべきでない理由

20-30世帯の中小規模のマンションでは、設計監理方式を採用して設計と工事を分ける方式です、設計者により工事の品質を監理してもらえるメリットがありますがトータルコストは高くなります。責任施行方式は、見積範囲がバラバラになり業者比較が難しく、施主であるマンション管理組合の期待値通りの工事範囲が含まれていないリスクもあり、工事が進んでから大きな追加コストが発生する可能性があります。

設計監理方式について、国交省が2017年度に実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」という過去3年間の設計コンサルタント向けに行ったアンケート結果の工数(人・時間)平均を時給7,000円でコストを計算してみました。この結果から、20-30世帯の中小マンションでは、設計監理のコスト比率が10%と割高になり適していないことがわかります。

実際どのように進めれば良いか、以下の流れで説明して、最後に中小マンションに最適な管理会社設計・工事会社責任施行方式という最も効率の良い方法を紹介します。

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大規模修繕工事、設計監理方式と責任施行方式について

分譲マンションの大規模修繕工事の施主は、マンション管理組合ですが、通常は素人が理事、理事長を務めておりどのマンションでも苦労が多いです。とくに中小マンションでは、予算も限られており、やりくりに苦労します。概ね12年に一回、大規模修繕工事は実施とされてていますが、理事長にあたってしまった方には、重圧がのしかかります。

このブログで、そのような苦労の多い大規模修繕工事を控えた管理組合の、理事、理事長のヒントになるような提案が出来ればと思ってます。

代表的な大規模修繕工事の進め方として、設計監理方式と責任施行方式があるとされています。マンション管理会社が工事部門を持っている場合は、さらに、管理会社おまかせ方式と呼ぶべき進め方もありますが、この方法は、競争原理がはたからずに最も総コストが高くなる方法です。

設計監理方式とは

 

図1a 大規模修繕工事設計管理方式

設計監理方式は、大規模修繕工事の設計コンサルタント会社(マンション管理会社が設計する場合もある)に、竣工図(新築時の完成図書)のコピーを渡して、建物劣化診断、現地調査をして設計書をつくってもらい、その設計書を元にして、大規模修繕工事会社から見積もりをとり、そのうちの1社に発注する大規模修繕工事の進め方です。工事が始まってからは、設計会社は、大規模修繕工事会社が行った工事が設計書通りに行われているか、修理箇所の確認、工事材料、工事実施日の気象条件、施工方法、仕上がりなどを施主の立場で監理します。

図1aにまとめましたが、設計と施工が分かれている工事方法になります。

設計書が1つに統一されているため、大規模修繕工事会社の選定の際に、見積依頼もしやすく、透明性が上がり見積もり比較しやすいです。大規模修繕工事会社からの見積もりも通常1か月あれば十分検討してもらいます。工事が始まってから、施主であるマンション管理組合に代わって現場の監理を行うので、きちんと仕事をしてくれる設計会社に発注できれば安心ですが、工事費とは別に監理費が別にかかるので、工事規模が小さいと割高になります。

大規模修繕工事会社への見積もり依頼を設計会社にだけに任せるのは設計会社が裏で、工事会社と談合をする可能性があり「ぼったくりリスク」があります。あたかも競争で一番になった会社が実は、設計会社の指示で高い見積もりを出して選定されたのちに、工事会社から設計会社にバックマージンを支払っている可能性があるということです。

必ず、施主であるマンション管理組合も設計書を元に、2社以上できれば、5社くらいの大規模修繕工事会社に見積もり依頼することが大事です。設計会社が大規模修繕工事会社に依頼して上がってくる見積もりと、比較資料を設計コンサルタント会社につくってもらい、必要に応じて、工事会社へのヒアリング会を実施して、工事会社選定は設計コンサルタントのアドバイスに耳を傾けつつも、最後は、施主であるマンション管理組合が決めましょう。

責任施行方式(プロポーザル方式)とは

 

 

 図1b 大規模修繕工事 責任施工方式(プロポーザル方式)

責任施行方式は、設計書はつくらずに、複数の大規模修繕工事会社に、竣工図(新築時の完成図書)のコピーを渡して現地調査をしてもらい設計、工事見積してもらい、各社の提案・見積もりから1社を選定して大規模修繕工事を実施する方式です。大規模修繕工事は、発注した会社に責任をもって実施してもらうことで、責任施行方式(プロポーザル方式)と呼ばれます。

図1bにまとめましたが、設計と施工が1社の大規模修繕工事会社にゆだねられます。

責任施行方式(プロポーザル方式)では、大規模修繕工事会社には設計業務が加わりますので、見積もり期間は1か月以上、大きなマンションでは2-3か月かかる可能性もあります。見積もり期間が長くなり失注すると無駄になるので、規模の小さい中小マンションだと売上・利益が少ない割には、手がかかるため提案してくれる会社が見つけるのが難しいです。

一方、設計会社の監理費が含まれないため、全体のコストは設計施工方式よりは安く抑えられるというメリットはあります。しかし、設計段階で各工事会社がバラバラの基準で設計するため、見積もり範囲が各社で異なり、比較が困難です。例えばAという会社は、屋上防水の状態が良いのでウレタン塗膜防水は実施せずに、トップコートだけの工事として、5年保証で提案して、Bという会社は、ウレタン塗膜防水とトップコートで提案してきて、10年保証で価格差が300万円というような場合があります。この時、A社の提案よりB社の提案が良いと判断した場合は、A社にもウレタン塗膜防水とトップコートでの見積もりをし直してもらいと、B社と見積もりを合わせるという調整の時間がかかります。効率はよくありません。

見積もりから抜け落ちてしまうこともあります。例えばある会社の見積もりが、階段のタイルが剥離するほど劣化していないため、床面で剥がれ落ちることはない、漏水しても下は住居ではないので、補修に含まない方で良い、コストを削減しますという提案だったとして、そのまま発注してしまえば、工事が始まってから、階段のタイル交換も必要となれば追加工事というようなこともありえます。また、大規模修繕工事会社によって同じ項目が設計に含まれていても、呼び方が違っていたり、1つの項目が2つに分かれていたりで、素人が見積もり合わせするには、非常に難しいです。

見積もりが抜けたまま、発注してしまい工事に至ると、工事が進んでから、変更や追加が発生するので結果的に高くつく可能性もあります。

表1 大規模修繕工事の設計監理方式と責任施行方式(プロポーザル方式)の比較

設計監理方式責任施行方式(プロポーザル方式)
メリット・設計書を元に工事会社に見積もりを取るので
-見積もりしやすいので協力してくれる工事会社が多い。
-見積もり期間もに短く1か月程度で得られる。
-明細項目が決まっているので見積もり比較しやすい。
・仕様が統一されるため、工事後に、期待されていた工事範囲が抜け落ちるリスクが少ない
・工事監理を設計会社にしてもらえるので品質の監理ができる
設計会社の建物劣化診断と、工事監理コスト分を削減できる。うまく進められればコストを削減することが出来る。
デメリット設計会社の監理のコストが発生する。・工事会社選定段階で、仕様が各社の設計範囲がバラバラのため比較しづらい
・設計工数がかかるため工事会社の手間も増えるため協力してくれる会社をみつけづらい。
・工事実施後に期待していた工事が抜けおちているリスクがある。

施主であるマンション管理組合側に、大規模修繕工事を経験した理事や専門的な知識を持ったアドバイザーがいない場合は、責任施行方式は敷居が高いです。理事が不慣れな場合は、責任施行方式はリスクも大きいため、設計監理方式の方が安心かもしれません。

マンションの大規模修繕工事の流れ

図2.マンション大規模修繕工事の流れ

設計監理方式ですすめる前提でマンション大規模修繕工事の流れを左から、時系列で整理しました。20-30世帯の中小規模マンションで、検討期間は1.5年ほど、工事は2-3か月程度で、2-3千万円の規模で、理事会の諮問機関である大規模修繕専門委員会などを立ち上げるほどの規模ではなく、理事会が大規模修繕工事をとりまとめる前提としています。

マンション管理組合の管理規約で開催が義務付けられている会計期締め日から通常2か月以内に開催される通常総会で、大規模修繕工事の決議をとる前提で説明します。大規模修繕工事実施前々年のマンション管理組合通常総会で、建物劣化診断と、大規模修繕工事の設計、見積もり選定補助業務と、工事監理にかかる費用と進め方について、議決して大規模修繕工のコンサルタント業務の予算を確保します。

大規模修繕工事の前年に、マンション住民向けにアンケートを実施して、バルコニーの漏水有無、ドア窓サッシなど建具の不具合、共用部で気になっている事などを住民からヒアリングします。併せて、設計会社に建物劣化診断と設計業務、工事会社選定補助業務を発注して工事範囲について提案してもらいます。アンケート結果と、劣化診断報告をもとに、屋上防水をどこまで対応するべきか、専有部建具回りをどこまで実施するか、郵便ポスト交換、エントランスなどのグレードアップ工事を実施するか、設計コンサルタントのアドバイスを受けて、コストをイメージしながら工事範囲を決めていきます。その工事範囲を元に、設計コンサルタントに設計書をつくってもらいます。設計書は、工事仕様書と設計明細項目の二つです。設計書については詳しくは別の機会に解説します。

マンション大規模修繕工事の工事仕様書と設計明細書にについて説明しています。

マンション大規模修繕工事、設計書作成とチェックポイント、その2

併せて大規模修繕工事会社の売り上げ規模、実績などで選定基準をつくって、この設計書とともに選定基準にあう大規模修繕工事会社に見積もり依頼します。談合をふせぐために、設計会社経由とは別に管理組合でも直接見積もり依頼するようにしましょう。その後、大規模修繕工事会社の見積もりを集計して、抜け落ちがないか内容を確認してレベル合わせして比較表にします。必要であれば管理組合員にも参加してもらって大規模修繕工事会社によるヒアリング会を実施して、大規模修繕工事会社候補を1社に絞り込みます。

大規模修繕工事の会社選定の際の基準についてまとめています。

中小マンションの大規模修繕工事の業者選定条件について

大規模修繕工事の実施前年の通常管理総会で、絞り込んだ1社の提案による工事範囲、工事会社、工事予算・(監理予算)、予備費、実施期間、保証範囲、アフター点検、などを議決してその大規模修繕工事会社と契約して工事、検収という流れになります。国交省のマンション標準管理規約がベースとなった管理規約であれば、議決権行使書・委任状を含む出席者の過半数で議決できます。

図2で示した建物劣化診断、設計、工事会社選定補助、工事監理にどれくらいの費用がかかるのか、国交省のアンケートから計算します。

国交省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」から設計監理方式の費用

図3.大規模修繕工事金額別(劣化診断調査、設計費用、工事会社選定補助費用、工事監理費(国交省2017年実施「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」のアンケート、コンサルタント業務時間(人・時間)の平均値を時給7,000円で計算)

そもそも、このアンケートが2017年に国交省によって実施された背景は、、、、それは、マンション管理組合にとって、設計監理方式で大規模修繕工事を進めるにあたり透明性が高いはずの設計コンサルタントが、談合をしてマンション管理組合を食い物にしているという事例が多数、国交省に報告されたため、マンション管理組合に標準的な情報を与えるために実施したのがこのアンケートです。

国交省もホームページで以下のように悪徳設計コンサルタントの存在ついてはっきり告知しています。

 マンション大規模修繕工事の発注等において、施工会社の選定に際して、発注者たる管理組合の利益と相反する立場に立つ設計コンサルタントの存在が指摘されています。

 国土交通省においては、平成29年1月に通知を発出し、注意喚起を図るとともに相談窓口を周知していますが、それに引き続き、管理組合等の大規模修繕工事の発注等の適正な実施の参考となるよう、本調査を実施し、提供するものです。

マンション大規模修繕工事に関する実態調査を初めて実施
~工事を発注しようとする管理組合等が適正な見積りかどうか検討する際の指標となります~

具体的に説明すると、劣化診断調査、設計、工事会社選定補助、工事監理のいわゆる設計コンサルタント業務を、例えば、30万円~50万円という格安な金額で提案して受注してしまい、工事の見積もりが本当は3200万円程度だとして、談合により大規模修繕工事会社の上乗せした工事費4000万円を、妥当な見積もり金額のように管理組合に説明して受注させてしまい、15%のマージンを要求すると600万円の利益が設計コンサルタントに入り、工事会社も200万円上乗せ利益がでます。

このアンケートで、4000万円~6000万円の大規模修繕工事にかかる劣化診断調査、設計費用、工事会社選定補助費用、工事監理費を時給7000円で計算すると、平均約210万円なので、コンサルタント会社は、コンサルタント業務を安値受注しても、トータルで、その3倍もの利益を得ることが出来るという算段です。

このような実態があるので、設計コンサルタントに劣化診断調査、設計、工事会社選定補助、工事監理を依頼するとしても、工事会社への見積もり依頼は、設計コンサルタント会社が依頼する会社とは別の大規模修繕工事会社に、管理組合の手で見積もり依頼しないと本当の意味で透明性は確保できないのです。

さて、図3の横軸は、左から、2千万円以下の工事規模、続いて2-4千万円の工事規模、4-6千万円の工事規模、一番右が、2億円~3億円の規模となります。コンサルタント費は、2000万円以下の工事から6000万円の工事までさほど変わらないことがわかります。6000万円を超える工事からコンサルタント費が上がっていくことがわかります。

建物劣化診断(青)や、工事会社選定補助(灰色)については、工事規模が大きくなっても大きな差はありません。工事規模が大きくても作業内容が大きく変わるわけではないからと言えるでしょう。設計と監理は工事規模と比例して大きくなる傾向があります。

このコンサルタント費を、工事金額の平均、2千万円以下の工事規模は2000万円、2-4千万円の工事規模では3,000万円、4-6千万円の工事規模では5,000万円、、、2億円~3億円では、1.5億円で割ることで、工事金額に対する割合にすると図4になります。

図4.大規模修繕工事金額別(劣化診断調査、設計費用、工事会社選定補助費用、工事監理費割合(国交省2017年実施「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」のアンケートのP12からP15のコンサルタント業務時間(人・時間)の平均値を時給7,000円で計算、工事規模の平均値で割って算出しています。時給7,000円の根拠は確かなものはありません)

大規模修繕工事費が、2000万円以下の場合は、コンサルタント費用が工事金額の10.6%、2000から3000万円では6.2%、4000から6000万円では、5.4%となります。2000万円以下の工事は、2000万円に対する割合になっているので、約210万円のコンサルタント業務費の費用の割合は多くなります。

この結果から、20-30世帯の2000万円前後の大規模修繕工事であれば、設計監理方式は、コンサルタント業務にかかる費用の割合10.6%と大きくて割高な工事になってしまうということがわかります。つまり、タイトルにある通り中小マンションの大規模修繕工事 設計監理方式を採用すべきでないということです。4000万円以上の大規模修繕工事であれば、工事費の6%程度のコンサルタント費を払う価値があるかもしれません。

20-30世帯の中小マンションの最適な大規模修繕工事の進め方

責任施行方式は、大規模修繕工事の経験が乏しい理事のみで進めるのは難しいという説明をしました。さらに、設計コンサルタントに依頼する設計監理方式も、20-30世帯の中小マンションでは10%程度となり、高くなってしまうという課題があります。

そこで、20-30世帯の中小マンション管理組合にお勧めの方法として、管理会社設計・工事会社責任施行方式を提案します。

図5.管理会社設計・工事会社責任施行方式

基本的には、設計監理方式なのですが、工事監理は実施しないという方式です。

具体的には、マンション管理会社は、工事部門を持って元請けをする会社と、設計監理のみを行い元請けをしない会社とに分かれます。詳しくは以下のブログを参照ください。

マンション管理会社は、工事部門を持って元請けをする会社と、設計監理のみを行い元請けをしない会社と2種類に分かれます。

それぞれの管理会社の場合での大規模修繕工事の進め方についてまとめています。

マンション管理会社とうまくつき合い大規模修繕工事を適正価格で実施する

どちらの管理会社だとして、マンション大規模修繕工事の流れで説明したように、大規模修繕工事の実施前々年のマンション管理組合通常総会で建物劣化診断調査、設計業務の予算の決議をして、大規模修繕工事の実施前年に住民アンケートと建物劣化診断調査を行います。その結果から、工事範囲を決めて、管理会社に設計書をつくってもらいます。

なぜ、管理会社への依頼が良いかというと、外部の設計コンサルタントは、劣化診断、設計、工事会社選定補助、工事監理をセットで見積もりしてきて、劣化診断と設計だけを切り離せないためセットとなり割高になってしまうのです。管理会社はマンションの実情を把握しており、住民アンケートの作成、集計なども手伝ってくれますので、工事範囲のアドバイスも的確です。

大規模修繕工事の元請けをしたいマンション管理会社の場合は、建物劣化診断調査、設計業務を無償で実施してくれる会社もあります。これは多分に管理組合に管理会社に工事も発注してもらいたいというアピールでもあります。しかし、建物劣化診断調査、設計業務を管理会社に依頼するにあたり、はっきりと「管理会社(経由)以外にも管理組合で工事会社に見積もり依頼しますので見積もりをしてください」と管理組合の進め方スタンスについて説明して、建物劣化診断調査、設計業務を見積もり依頼しましょう。それでも無償で建物劣化診断調査、設計業務は無償で実施すると管理会社が言ってくれる場合はありがたく無償で実施してもらいましょう。

なお「マンション管理会社以外にマンション管理組合で工事会社に見積もりをとらずに」管理会社1社に見積もり依頼して、その見積もりで、おまかせ発注してしまう方式は、競争の原理が働かないので割高になり、マンションの資産を減らしてしまいます。管理組合の理事長、理事は、長くマンションの価値を保ちたいのであれば、この方法はやめてがんばって見積もりをとりましょう。

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設計書と工事会社選定基準を明確にして、面倒でも最低2社、出来れば5社以上、大規模修繕工事会社に見積もり依頼しましょう。管理会社の大規模修繕工事の見積もりとの比較を行って、管理会社の見積もり、または管理会社が見積もり依頼した大規模修繕工事会社の見積もりが安ければ、その会社と契約、管理組合が独自に見積もりを依頼した大規模修繕工事会社の見積もりが安ければ、迷わずその会社と契約しましょう。

そして大規模修繕工事の工事監理については、住民が確認を行う方法が一番リーズナブルに実施できます。素人が大規模修繕工事を設計書通り実施しているか確認できるか、と思われるかもしれませんが、大規模修繕工事の現場代理人にあれこれ質問して立ち会って確認すれば良いのです。大規模修繕工事に緊張感を与えて、現場代理人にも頑張ってもらい、手抜きをさせないように進めればきっと工事はうまくいきます。

20-30世帯の中小規模マンションでは、この管理会社設計・工事会社責任施行方式です。

まとめ

  • マンション大規模修繕工事の進め方として、設計コンサルタント会社に、設計、見積もり工事会社選定補助、発注した大規模修繕工事会社の工事監理を依頼する設計監理方式と、設計段階から大規模修繕工事会社に設計工事の見積もりを依頼する責任施行方式(プロポーザル方式)があります。
  • 設計監理方式を採用して設計と工事を分ける方式では設計者による品質が監理されるメリットがあるものの監理コストがあるためトータルコストは高くなります。責任施行方式(プロポーザル方式)は、設計コンサルタント業務がないため割安になりますが、見積範囲がバラバラになり業者比較が難しく、施主であるマンション管理組合の期待値通りの工事範囲が含まれていないリスクがあり、工事が進んでから大きな追加コストが発生する可能性があり、どちらも善し悪しです。
  • 2017年の国交省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の設計コンサルタント向けのアンケートの業務時間から、設計監理方式の設計コンサルタント業務費を計算しました。劣化診断調査、設計、工事会社選定補助、工事監理の工数を時給7000円で計算すると、2000万円以下の大規模修繕工事では設計コンサルタント業務費用は10%程度、4000万円以上の大規模修繕工事では、5~6%程度となります。20-30世帯の中小マンションでは設計監理方式は割高になります。
  • 20-30世帯の中小分譲マンションの場合は、管理会社に劣化診断調査と設計を依頼して、管理会社がつくった設計書をもとに管理会社および、管理組合独自で見積もりを取得して、最も良い提案をした大規模修繕工事会社に依頼する管理会社設計・工事会社責任施行方式を提案します。
  • どの方式で大規模修繕工事を進めるにしても、管理組合自らが大規模修繕工事の会社への見積もり依頼を最低2社、出来れば5社以上に行わないと談合による「ぼったくりリスク」は回避できません。

以上(2020年10月20日)

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