マンション修繕のお悩みを聞いていますと、マンション管理会社への不満がたまっているケースがあります。しかしそんな場合もまずは関係修復するために、管理委託契約書に戻って、管理組合でやるべきこと、管理会社に依頼すべきことと整理して依頼することで、関係修復をすることについて前々回のブログでまとめました。

マンション管理会社も管理組合を選ぶ時代です。まずは関係改善をしましょう。

マンション管理会社変更を考える前に関係改善を

さらに、築古、小規模マンションで予算規模が小さく引き受けてくれる会社が見つからないという不安を持っている管理組合向けに、断られない管理会社の探し方、3つの方法をまとめましたので参考にしてください。

築古、小規模マンションで管理会社の提案をしてくれる候補先の会社が見つかるか不安がある方は、こちらを参考にしてみてください。


小規模、築古でも断られないマンション管理会社の探し方

今回のブログでは、管理会社の変更を成功させる3つのポイントを説明します。

  • 管理会社の問題を整理して、管理会社に申し入れして履歴を残す
  • 通常総会での管理会社変更を決議するのがスムーズ、負担が少ない
  • 候補の管理会社を1社を絞り込む過程を組合員に参加してもらうと賛同を得やすい

変更理由を組合員に十分に説明できないと簡単には賛成してもらえません。管理組合員からすれば、管理会社に好印象を持っている人もいます。引き継ぐ管理会社によっては、全戸の振替口座を作り直さないと行けない場合もあり結構な手間になります。組合にも負担がかかりますから、変更する理由を明確にすることを、周知することがが大事です。管理組合のために一生懸命働いている役員と、そうでない管理組合員では現管理会社の見え方も違いますから評価も大きく異なることを理解する必要があります。

管理会社変更後、管理の質が下がったと言われると理事も辛いです。マンションのために一生懸命働いたのにも関わらず、非難されるのは辛いです。1年後に管理組合員に感謝してもらえる管理会社変更になるための参考になれば幸いです。

管理会社の問題を整理して、管理会社に申し入れして履歴を残す

役員が、マンション管理会社を変更しないと行けないと考えた理由はどこにありますか? まずは箇条書きにしてみましょう。一人の意見ではなく、不満を持っている役員や、組合員の意見なども拾い集めて整理しましょう。

そして、必ず業務改善の申入れをしましょう。出来れば理事長名で書面・メールで、或いは理事会で申し入れをして議事録に残して、その後どうなるか、改善されたかどうかを記録しましょう。

可能であれば、管理委託契約書を見て、依頼している根拠も確認しましょう。本当に依頼して良い内容なのかの確認して紳士的に依頼しましょう。

表1 管理会社への不満と改善申入れ結果

管理委託契約書改善申入れ結果
1.理事会支援
理事会の議案を準備してくれない別表1:基幹事務以外の事務管理業務(1)理事会支援業務2021/3 理事会
全会の理事会議事録を元に、3週間前に理事長へ2週間前に役員へ配布してほしい
一応は議案を提出してくるようになったが、抜けが多いので議事録上で次回議案を入れるように改善依頼した。
理事会の議事録案作成が遅い、2週間かかっている同上 2021/3 理事会
1週間以内に議事録案作成を要請した
改善
2.清掃業務
日常清掃の質が悪い。
別表3 清掃業務
2021/5 理事会
仕様書をもとに、管理会社の巡回指導者、管理組合理事のもと清掃指導を要請した。
2021/5に理事の立ち合いのもと、巡回指導員の清掃指導を依頼
経過確認中。改善はされたがまだ不十分との意見。担当の変更を依頼した
3.長期修繕計画
作成依頼していたが対応してもらえなかった
別表1 基幹事務
別個の契約とする
2021/5 理事会
次回総会で予算取りするため見積もり依頼
見積受領、来季発注予定
2022年1月完成予定で、通常総会で予算取りの決議をすることにした。
4.ある専有部での騒音クレーム第11条 有害行為の中止要求2021/1 理事長からメールで依頼した
注意喚起のチラシを全戸配布で効果はない。
その後、2か月放置だったため、理事長同席の上で管理会社とともに戸別訪問に至ったが専有部は納得していない。長期戦になる見込み
契約上、「迷惑行為の中止を求めても中止しない時は、その責めを負わない」と管理会社は主張
5.大規模修繕工事の見積額が高い
含まれていない2019/9 大規模修繕工事の設計書の開示を求めたが断られたため、外部の工事会社から見積もりをとって提示すると、500万円も価格を下げた提案をしてきた。
フロントマンの事務所を訪問して、文書で質問した
管理会社も努力したという説明をしているが、なぜ価格がさがったかは説明不十分。相見積もりを見せると値段を下げるあたりに不信感をぬぐえない
6.1年後に管理委託料を月額1万円の値上げを要請される管理委託契約書の事務管理業務費の見直し。
1年後に管理委託料を月額1万円の値上げを要請された。
2021/4 理事長
事務所を訪問して、理由を聞いて取り下げの申入れ
本社からの指示で、全管理組合への一律の要請で取り下げることは出来ない

このような経緯を整理したうえで、変更理由を文章化しましょう。

2019年の大規模修繕工事について見積もりが高いのではないかと言う指摘をして、他の工事会社から見積もりをとると、あっさり500万円も見積もりを下げてくるなど、不信感を持った。今後も大規模修繕工事以外にも大きな修繕工事を控えており、透明性が低い、高い工事を提案されることは避けたい。長期修繕計画も15年後には赤字になっており今後も現管理会社と契約することに不安を感じた。

管理費収入に対しての固定支出が約80%と厳しかった財政状況で、管理費の毎月1万円の値上げを要請されている。収支が赤字になる懸念があり、管理費支出の見直しも開始した。管理委託料削減、設備点検を年4回から年2回に削減、火災保険の見直し、管理人室の固定電話停止などを検討していますが、管理委託料も削減しなければ厳しい状況です。固定費を毎月、5万円削減することを目標として、同時に管理会社変更を検討することを検討することにしました。

理事会でよく議論してコンセンサスを得て、理事会議事録にも記載してコンセンサスを得ることが大事です。組合員にも管理会社変更を検討している理由を伝えて、組合員から意見をもらうようにしましょう。

管理会社同席無しで理事会を開催してコンセンサスを得ましょう。管理会社なしでも理事会は成立します。居住組合員への議事録の配布は管理組合で行い、外部組合員には、管理会社に発送先を記して切手を貼ってもらった状態の封筒を用意してもらい郵送しましょう

管理会社変更の決議は通常総会が良い


図1.管理組合の年間スケジュール
 

通常は会計期末から、2か月以内に総会を実施することが、標準管理規約では決められています。マンション管理委託契約じは4-5か月後に始まるようになっています。図1では、会計期が3月末、通常総会が5月末、火災保険が6月30日から1年間、マンション管理委託は9月1日から開始になっています。

会計期、総会日時(+2か月)、管理会社との管理委託契約(+4か月)とそれぞれ数か月ずれていることをチェックしましょう。

通常総会のタイミングで、現管理会社との契約が切れる4-5か月残すタイミングで実施すれば、無駄に臨時総会を開催する必要もなく、管理委託契約を1年に2回締結することもなく切替が出来ます。

通常総会に先立って、重要事項説明書の説明がありますが、管理会社候補の会社の契約内容についての重要事項を説明してもらいます。

通常総会は現在の管理会社に、資料作成してもらいますが、通常総会で管理会社を変える決議をするならば、1号議案で管理会社変更についての承認の議案をつくって普通決議します。さらに来期予算承認についての議案は、途中から新管理会社の管理委託料を組み込んだ1年間の予算として現管理会社に作成してもらうことになります。

総会に同席する管理会社は、内容に応じて、管理会社候補、現管理会社、その両方となります。

現管理会社に管理会社変更議案を作成依頼するのは悪い気がしますが、契約上、総会議案作成は、現管理会社の仕事なのでやってもらうしかありません。変更理由の文章や管理会社候補の選定理由は、管理組合で準備して、組み込んでもらうのが良いでしょう。

管理会社候補による管理組合向けの重要事項説明
総会+4-5か月後に開始予定の管理委託契約の説明
管理組合+旧管理会社によるサポートによる通常総会開催
1号議案 管理会社変更の承認の件
2021年〇月からの管理会社が変更の理由、管理委託業務内容、管理委託料など
2-X議案 その他の総会議案
Y議案 来季事業と予算承認の件
通常総会終了

図2.管理会社変更の通常総会の流れ

もし、通常総会で、管理会社を理事会で選択した会社に変更する議案が否決されてしまったらどうすれば良いでしょうか?

新管理会社との契約が総会で否決されたら、現管理会社との契約が切れる期日が4か月あれば、もういちど管理会社候補を探して、議案をつくるか、現在の管理会社と契約をするための臨時総会を開催することになります。

標準管理委託契約書には、以下の記載があります。

第21条(契約の更新)

1.甲又は乙は、本契約を更新しようとする場合、本契約の有効期間が満了する日の三月前までに、その相手方に対し、書面をもって、その旨を申し出るものとする。

2.本契約の更新について申出があった場合において、その有効期間が満了する日までに更新に関する協議がととのう見込みがないときは、甲及び乙は、本契約と同一の条件で、期間を定めて暫定契約を締結することができる。

臨時総会までに、検討期間が4か月以下の場合は、第21条の2をつかって、同一条件での暫定契約を3か月など現管理会社と交渉して延長するための総会を開催することも出来ます。

しかし総会で一度否決されるようなら、役員が整理した管理会社変更の理由が不十分と、周知が十分されていないことが問題ですので、一度はあきらめて現管理会社と契約をするのが良いでしょう。

管理会社の変更の過程に組合員の参加を

通常総会まで、最低4か月、出来れば5か月前から動き出しましょう。

管理会社選定ヒアリング項目作成
5か月前
管理会社候補に見積もり依頼
4か月前
現管理会社との管理委託契約書、設備点検報告書があれば見積もり可能
理事有志による管理会社ヒアリング、見積もり依頼
4-3か月前
管理会社候補比較シート作成、理事会での確認
3か月前
管理組合員全員向け管理会社候補のヒアリング会
2-1か月前、終了後理事会で1社に絞り込む
現管理会社もヒアリング会に参加してもらうこともある
管理会社候補への変更議案を含む総会議案の作成
管理会社候補との管理委託契約書を詰めて準備すること
通常総会で 管理会社候補への変更決議

管理会社を変更するための管理会社を探してヒアリングしている過程は現管理会社に、伝えても伝えなくても良いです。現管理会社が新しい管理会社探しを手伝ってくれることはありませんので、理事会の有志で動くことになります。

選考の過程で、組合員に参加してもらうことが大事です。変更を検討する理由を理事会議事録で配布することは大事ですが、選考の過程も比較表等で配布して、さらに管理会社候補によるヒアリング会を実施する際に、組合員に参加してもらうことが大事です。周知をすることで管理組合員からの意見にも耳を傾けましょう。

ヒアリング会は、管理組合員に参加して直接質問してもらうことが大事です。現管理会社からの変更に不安を感じる組合員の気持ちも変わる可能性もあります。合意を得やすくなります。

また、現管理会社を管理会社候補として残すなら、改めてヒアリング会に参加してもらいアピールして頂き、比較するのも良いでしょう。

以上3つのポイントを説明しました。

次回以降で、管理会社変更のために、5か月前からのやるべきことを時系列に何をすれば良いか解説します。

まとめ

  • 管理会社を変更するのであれば、役員が管理会社変更理由を徹底的に詰めて、組合員に説明することが大事です。
  • 通常総会のタイミングで管理会社を変更するのが最も負担が少なく、スムーズに実施できます。
  • 候補の管理会社を1社に絞り込む過程に組合員に参加してもらう事が大事です。管理会社候補によるヒアリング会を実施して組合員が直接質問できるようにするのが良いです。

以上

マンション修繕・管理問い合わせ

問い合わせはこちら
マンションの修繕、管理、情報が少なく、合意形成できず、なかなか進まない。
管理会社さんの提案通り進めて良いのか?
そんなときは、お気軽にお問い合わせください。

【問い合わせ無料】
電話の場合はこちら
080-5071-0255 マンション管理組合目線 神尾直志