2019年10月、消費税が10%にアップを控えていました。管理費・修繕積立金が合計20,000円/月だとすると、消費税は8%で、1,600円、10%で2,000円。戸当たり400円/月ほど、支払いが増えます。このタイミングで管理費・修繕積立金を値上げしたマンション管理組合も多いでしょう。

私のマンションでは、管理費予算がわずか300万円弱/年の小規模マンションで、消費税アップに加えて、当時の管理会社からも管理費の約1万円/月の値上げ要求があったたため、大幅なコスト削減をしないと赤字予算になるところでした。結果としては消費税分の値上げもせずに切り抜けたのですが、管理会社変更ほか見直しの中で、マンションドクター火災保険について知りました。

日新火災の管理組合向けマンション共用部分の「マンションドクター火災保険」という保険に切り替えたことで、項目と保険金が同じで、保険料が損保大手4社との比較で50%以上年間10万円程度までに下がり、驚くほどのコストダウンが出来ました。

管理会社があまり扱っていない保険です。めちゃくちゃお勧めなのですがマンションドクター火災保険の代理店契約をしている管理会社でない場合は、マンションドクター火災保険に紹介してもらう代理店と、管理組合の契約になります。保険を利用するとき、理事長から代理店に対応を依頼する必要があるので、その点は面倒になることは理解しておきましょう。

マンションドクター火災保険を採用した2年前のことを書きます。

マンションドクター火災保険とは?

分譲マンションの共用部の大手4社の保険は、築年数と共用部のマンションの設備で決まってしまいます。共用部・専有部の給排水設備の更新を行って、専有部の漏水リスクが減ったとしても、その工事によるリスク低減が保険料に反映されることがありません。

本来、事故がおこる可能性が削減されたならば、保険料も削減されるべきだと考えたくなりますが、他社の保険はそのような評価による保険料設定はありません。

マンションドクター火災保険は、日本マンション管理士会連合会の「マンション管理適正化診断サービス」による診断結果をもとに保険料が決まる2021年5月現在では、唯一のマンション共用部分用火災保険です。

マンション管理士によって診断サービスは無料です。その時に用意すべき資料としては、診断の際に、以下の文書の提出がもとめられます。コピーを用意する必要はなく、原紙を用意しておけばよいです。その場でインタビューを受けます。

  • 管理規約、使用細則等の細則集
  • 長期修繕計画
  • 総会資料(過去1年分)、総会議事録(過去3年分)、理事会議事録(過去1年分)
  • (管理会社との)管理委託契約書
  • 管理費・修繕積立金等の未収金一覧表
  • 工事報告書(大規模修繕工事報告書、給排水管工事報告書、保証書)
  • 法定点検の報告書(特定建築物等定期調査報告書、建築設備定期検査報告書、防火設備定期検査報告書)
  • 竣工図書一式(設計図書一式)
  • 消防用設備等点検結果報告書、結果総括表
  • 現在の共用部分保険内容が確認できる資料(保険証券等の写しでも可)
  • 保険金請求書類一式(過去に保険金請求がある場合)

このときの私のマンションの状態は、管理規約は、最新の宅建業法変更への対応、民泊対応の改定準備をしており、長期修繕計画も準備しており、総会資料、理事会議事録配布も問題なしという状態でした。未納金もゼロ。大規模修繕工事は適切な頻度で、共用部排水管更新工事は2年前に実施済という状態で、給排水管の事故もなく良好な管理状態でした。

診断結果が後日保険の代理店から届きましたが得点が55点,Aランクというご報告を頂きました。得点はあまり高くないと思ったのですが、提示された保険料が半額以下となり驚いた次第です。代理店によると、マンションドクター火災保険で必ずしも保険料が下がるとは限らないそうです。また、一度診断を受けると、5年間は受けられないルールがあるそうです。

1点指摘があったが、役員が固定化している点です。現在では、規約を改定して立候補は優先、居住組合員による任期2年の半数交替の輪番制にしました。

マンションドクター火災保険の内容について

内容適用例保険金
基本補償火災、落雷、破裂・爆発、風災・ひょう災、車の衝突事故、給排水設備の事故による水漏れの復旧(※)、盗難火災事故
台風など暴風雨での建物・設備の損傷
2,600万円
個人賠償総合・誤って植木鉢をベランダから転落させて車を気づ付けた
・自転車事故などマンション外での不慮の事故にも対応
1,000万円
建物管理賠償責任保険特約・外壁タイルの落下事故などで住民や通行人に怪我をさせた場合の対応3,000万円
※)給排水配管の漏水による損害は、水漏れ原因調査オプションで原因調査は含まれることが出来る。但し、水漏れの原因の配管そのものの修理は含まれない。

マンションダクター火災保険のメリットと感じたのは、保険料が安いうえに、自己負担(免責)の支払いがほとんどないことです。破損・汚損など、誤って建物を壊したなどの場合の保険の際に自己負担(免責)1万円の負担がありますが、そのほかは、負担額ゼロでした。 大手4社は、基本保証の項目も自己負担5万円で、保険金額はマンションダクター火災保険の倍以上であり、迷うことなくマンションダクター火災保険を選択、5年契約しました。

地震保険のオプションは価格が高いことで以前から入っておらず。水災リスクも低い立地のため入っていません。代理店の提案は、基本保証・個人賠償・建物管理賠償もすべて1億円まであげたらどうかと提案を受けましたが、小規模マンションで予算が厳しいため最低限の保険額にしています。

その他、管理組合役員賠償責任補償というオプションがありました。これは、組合活動をする上で、理事長が組合員に損害賠償など訴訟を起こされたときの法律相談、弁護士相談費用などを補償する保険のようです。選択はしなかったのですが、これからの時代に必要な保険かもしれません。

マンション管理計画認定制度について

2020年6月にマンション管理適正化法が改正、その柱の一つが「地方公共団体による管理計画認定制度」であり、標準管理規約も変更予定で、2021年5月にパブリックコメントが実施されました。

マンション管理組合が管理計画認定を申請した場合、適正な管理がされているマンションは地方自治体が認定、逆に、適正な管理が出来ていないマンションは、地方自治体が指導・助言できるという制度が始まる予定です。マンション管理業協会のアナウンスによれば、2022年度4月に開始予定とあります。

この管理計画認定制度で管理組合が認定を受けるメリットは、現時点でははっきりしていませんが、共用部の火災保険が安くなることなどが期待されます。マンションドクター火災保険は、まさにこの認定制度を先取りした火災保険です。

近年、異常気象による台風による災害や、東日本大震災、熊本大震災など大災害が多発しているため、大手4社のマンション向けの保険料は上昇し続けています。大手4社からもマンションドクター火災保険と同じような保険が出てきて、マンション管理による差が保険料にも反映されることを期待したいと思います。

マンション管理業協会の配布している仮評価シートには、保険料率算定評価項目というのがあります。こちらには、専有部、共有部の給水管、排水管、給湯管、汚水管の更新、更生の履歴及び、配管の材質まで入力されるようになっております。さらには、直近2年間の配管からの漏水事故の回数まで質問しており、配管の更生・更新が重要であることがマンション管理計画認定制度でも重要視されているということが言えます。

まとめ

  • 日新火災のマンションドクター火災保険は、マンションの管理状態をヒアリングした結果をもとに保険料が決められる保険です。
  • 私のマンションでは、保険項目・保険金の設定が同じで、保険料が50%以上削減できました。
  • マンション管理計画認定制度が早ければ2022年4月に改訂され、保険料料率算定評価項目につながる可能性があります。

以上

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