100世帯以下のファミリー物件マンションを定住する目的で購入する場合で、立地を除く、4つのポイントを整理しました。修繕コスト削減士の目で見た独断と偏見の意見としてお読みください。
修繕積立金が、200円/m2前後であること
ファミリータイプのマンションだと専有部の面積あたりで200円/m2前後であれば、長期修繕計画が破綻しないで建物・設備の修繕が出来ます。
築20年以上のマンションでも、修繕積立金が100~150円/m2くらいのマンションもあります。そのようなマンションは必要性はわかっていても合意形成できずに修繕が先伸ばしになっているか、管理組合に強烈にがんばる人がいて必要な修繕を最低限にするような努力をしているかどちらかですが、前者が多いです。
そもそも分譲会社が販売するときに、販売しやすくするために修繕積立金を安く設定するのが問題なのですが、200円/m2前後まで値上げ出来ている管理組合はきちんと機能している無難なマンションと言えます。
中古物件を購入する場合は、専有部面積に対して200円/m2前後であることは、物件情報サイトですぐに計算できますのでまずは最初に確認すべきポイントです。
築20年以上40年以内くらいの物件
築年数は購入価格と直結する要素でありながら、実際には住むうえで快適性にはあまり影響しないので適度な中古マンションをすすめます。専有部の内装に関してリノベーションする前提です。その費用は検討に入れておきましょう。
築20年目くらいまでマンションの価格は下落して以後は大きな変動がないと言われています。また1981年の6月1日以降に建築確認された物件が新耐震基準の建物になりますので、新耐震基準以降となる築40年以内で築20年目くらいまでが良いと考えています。
マンションの寿命は60年と言われて来ましたが、実際には、建具・給排水設備を除く、建物の寿命はもっと長いです。給排水設備については、後述します。建具はドア枠・窓枠を変えずに60年使用し続けるには課題はありますが、カバー工法など改修方法がないわけではありません。
建替えは簡単ではなく、延命のニーズが高まり、近い将来、マンションの寿命は80年と言われるようになると予想しています。
専有部の給排水配管が床コンクリートの上のあること
排水配管は耐火VP、給水設備は共用部の縦管は、ステンレスか、エスロンハイパーやHIVPなどの樹脂、専有部の給水給湯管は、架橋ポリエチレン・ポリブデンという樹脂パイプやチューブに変えてしまうと改修後に40~50年は持たせることも可能です。
但し、排水管が床下コンクリートスラブの下つまり、下階の天井の上を通っている物件が古い物件ではあります。このような物件では、管理組合が、一斉に更新工事を実施する必要があります。配管のルート変更も含めた検討が必要で大掛かりな改修工事となります。場合によっては一部を床上排水管にすることや、屋外の露出配管にする可能性もありえるため使い勝手が悪くなる可能性があります。
なお、床下コンクリートスラブからの漏水について、漏水被害にあった階下の住民が、階上の住民に排水配管の修理費を訴えた裁判がありました。2000年3月21日、最高裁第3小法廷判決で、排水配管は、上階から排水管の点検、修理を行うことは不可能であり専有部分に属しない建物の附属物で、区分所有者全員の共用部分にあたるという判決で階下の原告の訴えを棄却しています。
しかし、配管が床下コンクリートスラブの上を通っているかどうかを内見しても確実に見分ける方法はありません。売主に確認しましょう。わからない場合は、売主から管理組合の理事長や管理会社に確認を求めたほうが良いでしょう。おそらく築20年以上のマンションでは、給排水配管の改修の検討はしているはずなので配管の構造は把握されているはずです。
機械式駐車場がないこと
機械式駐車場が、金食い虫の設備です。全部埋まっている駐車場であれば問題ないのですが、利用率が下がると、月々の保守費と30年に1回程度実施する更新が駐車場利用料収入の合計でカバーできなくなるという問題が起こる可能性があります。
機械式駐車場があるマンションが一概に悪いとは言えませんが、トラブルが起こる要因になりえます。利用率が下がった時に、駐車場条例などで台数附置義務がなければ、台数を減らして機械式駐車場をやめて平置きに変えればよいのですが、管理組合での検討・合意形成の労力がかかります。
一般財団法人自動車車検登録情報協会の情報によれば、東京都の乗用車保有台数は伸び続けていましたが、2018年3月の3,163千台をピークに、下落が始まり2020年には3,145千台となっています。長期的に見れば人口減少とともに車が減り、駐車場も不要になっていきますので、マンションにある駐車場も空きが増えていく可能性は忘れては行けません。
以上4件を中古物件探しのポイントにあげましたがいかがでしょうか。
以上
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