区分所有法の漏水事故の扱い

(建物の設置又は保存の瑕疵に関する推定)
第9条 建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。

漏水がどこに原因があるかわからない場合は、管理組合が調査して原因をつきとめてください。  

  • 共用部に原因があれば、管理組合の負担
  • 専有部に原因があれば、専有部の負担

と読むことが出来ます。

専有部・共有部の配管の範囲

なぜ専有部の配管を修繕積立金で実施するのか?

  • 漏水事故を起こしたときの負担が大きい
  • 迷惑かけるのは下の階
  • 給水給湯配管の更新費用、戸当たり70万円
  • 給水・給湯・排水配管まで入れると100万円程度
  • 中古売却・購入などリノベのタイミングでしか積極的に交換する理由がない。
  • マンションの資産価値全体に影響する。

専有部、どの材質の配管が漏水の危険があるのか?

漏水リスクの高い配管漏水リスクを心配しなくて良い配管(交換後の配管・チューブ)
給水管給水用塩ビライニング鋼管(30-40年程度)架橋ポリエチレン
給湯管銅管(30-40年程度)架橋ポリエチレン
排水管炭素鋼管、白ガス管(※)耐火PV管
※)塩化ビニル(VP)、耐火二層管も問題ないと言われているが、割れている例もある

配管の材質を図面、内視鏡カメラによる調査等で調べて整理しておくことが大事です。

標準管理規約上の専有部の扱いについて

専有部の配管は専有部の費用負担で交換すべきという見解であるが、修繕積立金を使って実施する場合は、先行して工事した専有部への補償、長期修繕計画の見直し、管理規約の改正を考慮の上、実施する事

詳しくは、こちらのブログ

管理組合としての専有部配管工事への対応方法

  1. 漏水した場合の専有部配管補修に、管理組合として補助金を出す
  2. リノベーションするときに、管理組合として、配管交換部分の費用負担に対して補助金を出す。
  3. 修繕積立金で一斉更新

1と2は本質的に漏水問題の解決にはならない。修繕積立金の使われ方も不平等。マンション長寿化のためには3で進める。サブセットとして、1,2を併用する案もかんがえられます。

管理組合として検討する上での注意点 (補償、財源、工事後の保障、規約改正案)

  1. 先行して自費で工事した組合員への補償、自費で実施したい部屋への補償
  2. 長期修繕計画を見直し、必要に応じて修繕積立金の値上げ
  3. 修繕積立金で実施した工事部分について漏水事故の場合の責任
  4. 修繕積立金の用途が決められている。管理規約の変更

管理規約の変更案と進め方

こちらのブログに規約変更案と細則案をあげています。

以上

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